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第24話 天然鮎がのぼる川
~簗漁とあたりまえにある奇跡①〜
【 安曇川 】

簗(やな)の掃除をする北船木漁業協同組合長 木村常男さん
簗(やな)の掃除をする北船木漁業協同組合長 木村常男さん
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  • 簗漁の3つの驚き
  • 1.川を全て堰き止めている
  • 2.膨大な数の鮎
  • 3.昨年より数が増えている
川幅の広い川を全て堰き止めている風景は大迫力
川幅の広い川を全て堰き止めている風景は大迫力
どんどん遡上してくる鮎
どんどん遡上してくる鮎
たまった鮎をタモですくい急いで生け簀へ運ぶ
たまった鮎をタモですくい急いで生け簀へ運ぶ
きらきら光る鱗が美しい
きらきら光る鱗が美しい

安曇川沿いの狭い道路を車で進み、少し薄暗く感じる竹藪を横目に見ながら川側にハンドルを切ると、急に視界がパアーっと開けました。「うわぁ~。」その迫力に思わず声がでました。安曇川の河口にほど近い、北船木漁業協同組合が営む簗漁(やなりょう)の漁場です。車を降りて、改めて川幅いっぱいにアーチ状に設置された簗(やな)をみると、周りには高い建物がなく、悠々と流れる安曇川と広い空が一体となり、なんともスカーっとした気分になります。さっそく北船木漁業協同組合長の木村常男さんにお話をお伺いしました。

簗漁は、まず安曇川を横断する形に簀(す)をアーチ状に設置し、琵琶湖から川を遡る習性のある鮎をせき止めます。そして、のぼり口を探して簀に沿って泳ぐ鮎を川岸にある「かっとりぐち」と呼ばれる一坪くらいの生け簀に誘導する漁法です。平成18年には「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」にも選定された伝統漁法です。

「かっとりぐち」には見ている間に大量の小鮎が誘導され溜まってゆきます。目を凝らすと中にはハス、オイカワなども混ざっています。黒くツヤツヤした背中に銀色のお腹が日差しを受けてキラキラしています。ある程度たまると、漁協の組合員さんがタモですくい軽トラの荷台に設置した生け簀に入れすぐさま敷地内にある大きな生け簀に移されます。ここで、石を吐かせたうえで販売されるそうです。
実は対岸にも同様の「かっとりぐち」がありすべての遡上する鮎はどちらかにはまるしかけになっています。取材した日には15分おきぐらいにすくいに行かないと溢れてしまうほどでした。今年は鮎の数が特に多く、平年の2~3倍ぐらい獲れているそうです。北船木漁協は一定量の鮎を確保すると上流の漁協に割り振ったり、日本各地の川に放流用の鮎として販売するそうです。その他毎日地元の佃煮屋さんが大量に買い付けに来られたり、昔から京都の上賀茂神社や葵祭に献上されるなど、古くから地元の文化に根付いています。この日も京都から買い付けに来られた方にお話を聞いてみると「新鮮やからね。一回食べたら、もうスーパーでは買えへん。」とおっしゃっていました。

一見楽しそうなこの簗漁も実はとても手間が掛かり危険も伴います。簗漁の漁期は鮎が遡上しはじめる3月頃にはじまり、8月に水量少なくなるまで続きます。期間中は毎日3人1組で漁にあたり、雨の日は足元が悪い中、合羽を着ての漁になります。また胸まで川につかり、簗に引っかかるごみなどを手で取り除く作業は、足を滑らせれば流されるかもしれない危険な作業です。加えて大雨などで水かさが増すときは、当番で川沿いの番屋に泊まり込むこともあるそうです。主な担い手は会社を退職した方で、高齢化が進んでいるそうです。昔から伝わるこの漁を続けていくのは簡単なことではないですが、説明をしてくださる皆さんは活気があって、なんだかとても楽しそうにも見えました。


ライター

足立 信子
「なんか、面白そう!!」それが、取材メンバーに参加させていただいたきっかけです(笑)。和歌山県那智勝浦町出身。高校卒業後、京都で就職。結婚を機に夫の暮らす高島に来て、高島市民8年生です。「行ってみたいな♪」と思うところがまだまだたくさんあり、もっともっと高島のことを知りたいと思っています。そして、これからは、「高島って、こんなにええとこなんやで!」「案内するし来て!」と、私自身が感じた高島のよさを紹介していきたいと思います。2015年4月から心理カウンセラーとして市内で活動開始しました。 これから取材でお伺いすることがありましたら、ざっくばらんに「ふだんのくらし」についてお話を聞かせていただけたらと思います。どうぞよろしくお願い致します。

カメラマン

古田 絵莉子
高島市今津町出身。2001年よりハワイへ留学し、その後ウエディングフォトグラファーとして活動。2015年12月に完全帰国し、再び高島市へ。LIFETIME PHOTOGRAPHYとして、家族や仲間ではないけど、それに近い存在で、ファインダーを通してお客様の人生の幸せな大切にしたい瞬間をカタチに出来ればと思い活動中。 住み慣れた高島市を1度離れた事で、当たり前だった自然いっぱいの景色や、綺麗な空気、美味しいお水、お米、お野菜などのありがたみを改めて感じる事が出来ました。私の持つ写真の技術で、何か力になれるものがあるならと思い、立候補させていただきました。取材へ行く度に、私の知らない場所や出会いがあり、『次はどんな取材なんだろう?』とお声がかかるのを楽しみにしています。この素敵なプロジェクトとの出会いに感謝です。 (今津町在住)

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