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第29話 高島の酒【上原酒造】
~天秤搾りと情熱①〜
【 新旭 】

作業の合間の梅村泰彦さん
作業の合間の梅村泰彦さん
1
  • グリーン藤栄の米作り3つのこだわり
  • 1.苗の段階で大きくする
  • 2.独自の発酵系有機肥料の活用
  • 3.病害虫に負けない稲づくり
通常より大きめに育てた苗
通常より大きめに育てた苗
山田錦の田植えの時期は遅い
山田錦の田植えの時期は遅い
独自の発酵系有機肥料
独自の発酵系有機肥料
田植えと同時に有機肥料を蒔く
田植えと同時に有機肥料を蒔く

安曇川・四津川地域で有機米を作られているグリーン藤栄社は、高島の五蔵のひとつ上原酒造さんの酒米として「山田錦」を作られています。「山田錦」は、主に兵庫県や岡山などで生産されている米で、酒に香りやまろみを出すのに適していることから「酒米の王者」と呼ばれています。
グリーン藤栄社は、主力商品として有機栽培した「コシヒカリ」や「ミルキークィーン」などの品種を「たかしま生きもの田んぼ米」や「もりもり米」の銘柄で販売しています。酒米の「山田錦」は有機栽培ではありませんが、有機栽培の経験を活かして出来るだけ化学肥料や農薬に頼らない作り方をしています。
「山田錦」は、3月に育苗をはじめ、田おこしを行い、5月中旬に苗を植え、生育状況を見て9月末頃から10月にかけて稲刈りを行います。お盆明けに稲刈りを行う米の多い高島市においては最も遅く生産される品種の一つと言えます。一方で上原酒造さんの仕込みは10月下旬から11月に始まるので、それまでに納品を間に合わせなければなりません。
出来上がった「山田錦」はJA西びわこで等級検査をうけて、上原酒造の杜氏が確認した一等米のみを納めています。

こだわり1 大きな苗の育成
病害の発生が少ない「プール育苗」で育苗し、しっかりと丈夫な苗を育ててから田植えを行うことで、元気な根をはる病害虫に負けない強い稲に育てます。

こだわり2 独自の発酵系の有機肥料の使用
ぬか・もみ殻・菜種油と四津川地域にある「講殿ファーム」の鶏糞を発酵させて作った独自のぼかし肥料を使うことにより、栄養を多く求める酒米に対応しつつ土がやせない様に工夫しています。

こだわり3 可能な限り農薬に頼らない管理
除草剤を使わない米作りは非常に難しく且つ雑草の処理に膨大な労力を要します。それでも安全な米作りを目指し、農薬の使用は一度だけに限定し、県の「環境こだわり」より厳しい基準を課しています。

グリーン藤栄の米作りはクリエイティブ!!
今後は、有機の酒米が出来ればと思考錯誤しつつ、近年の安定しない気候に翻弄され有機での生産は年を追うごとに難しくなっているという印象を持たれているようです。毎年新たな問題が生じるため、その年の教訓が必ずしも翌年に生かす事ができないことや、近年「山田錦」の苗が手に入りにくくなっている事も懸念材料となっているそうです。
そんな中でも、不耕起・完全自然農法でお米を作る事にチャレンジしたい夢を持っているとのこと。
有機農法は、天候、気温、水、肥料、病気、害虫など様々な要因で、手間の割に収量が上がらないという難しい問題を抱えています。それでも圃場の近くを通って通学している子供達の姿を見ていると、本当に良い環境を守りながら同時に米作りが行える環境を作って行きたいという思いがグリーン藤栄社をクリエイティブにしているようです。


ライター

山川 貴正
市役所市民協働課定住推進室で移住定住コンシェルジュをしています。2010年に京都市からUターンで地元今津町に戻ってきました。システムエンジニア30年のキャリアを活かして、主に求職相談を行っています。(今津町在住) 高島市役所 市民協働課定住推進室

カメラマン

春山 太郎
今津に住んで46年、カメラ歴約20年。15年前に自動車タイヤ部品販売会社を退職してからは湖西フォトクラブ会員となり風景やネイチャー写真を撮り歩いています。今津山上会(高島トレイル・近江坂古道整備)、今津ガイド勉強会(街中案内)、ヴォーリズ今津郵便局の会等のボランティア活動もしています。(今津町在住)

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