the eating & lives in TAKASHIMA

第35話 栗本さんの杉と根曲り杉の家に住む家族
~時には時に委ねる生き方を②〜
【 朽木 】

栗本さんの林の木材を使っている今城さんの家。
栗本さんの林の木材を使っている今城さんの家。
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  • 今城さんの木の家の3つの秘密
  • 1.全て栗本さんの杉
  • 2.あえて根曲がり杉
  • 3.ストーリーのある家
雪によって根元が曲がっている「根曲がり杉」の応力を構造と意匠に活用している。
雪によって根元が曲がっている「根曲がり杉」の応力を構造と意匠に活用している。
玄関からの佇まい。
玄関からの佇まい。
リビングの吹き抜け。
リビングの吹き抜け。
直線と曲線を巧みに融合している。
直線と曲線を巧みに融合している。

1 全て栗本さんの杉
一本一本の木を人のように表現し、強く育つように手入れをする。だが決して無理な矯正はしない。子どもを育てるように、健やかに自立した一本の木になるように木に寄り添っている。栗本さんはそんな林家だ。
今城さんは職場の研修で講師として参画していた栗本さんに出会い、深い感銘を受け、是非栗本さんの育てた木で家を建てたいという思いを持つようになった。土台以外の全てほとんどの木材が栗本さんの山の木であり、今城さん自身山に入り選木した。栗本さんの木の家のモデルハウスと自負する今城さんの家は、「自分の家を建てる思いで木を出した」という栗本さんにとっても唯一無二の存在のように見えた。

2 あえて根曲がり杉
雪の重みなどにより根元が曲がった杉は、一般の建材市場ではネガティブ要因なので、曲がりの終わった部分から切って出される。しかし今城さんの家はあえて曲がった部分を活かして設計された。特に屋根の重さを支える梁にはその曲がりは応力として働く。また、扉や室内の棚にはあえて自然の曲線を意匠として活用している。「家の中に自然が作った曲線が沢山あると自然と気持ちが安らぎます。」とは今城さんの奥様のご意見。人の人生も必ずしも楽なことばかりではない、山もあれば谷もある。木が風雪に耐える中で自然と作り出した曲線は人の心にも働きかけるのだろうか。

3 ストーリーのある家
人生で自分の家を建てるなんて普通は何度もあることではない。当然家にはその人となりのストーリーが潜んでいるはずだ。しかしこの今城さんの家のストーリーには、栗本さんの森づくりに携わってきた歴史がストーリーとしてはっきりと刻まれている。久しぶりに今城さんのご自宅を訪れた栗本さんは、木の色が徐々にあめ色に変化し、表情が変わって来ている様子を、目を細めて眺めていた。この家は栗本さんの想いと、今城さん一家の想いがひとつのストーリーとなって閉じ込められたタイムカプセルなのかもしれない。


ライター

原 周右
地域おこし協力隊員。2015年、地元大阪でのサラリーマン生活に一旦、ピリオドを打ち移住。市の地域振興事業や街のイベントに参画している。「高島の人と食」プロジェクトにはライター兼お手伝いとして参加(高島町在住)

カメラマン

三上 紀顕
1940年山口県生まれ。職歴は建築設備士、健保職員。滋賀に来て47年になります。私が本格的に写真を始めてから46年になります。大阪のプロ写真家に師事し基礎から学びました。今私の得意としているのは風景写真です。特に撮影している範囲は高島市内です。写真も奥が深くまだまだ道半ばです。(安曇川町在住)

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