the eating & lives in TAKASHIMA

第36話 高島的無添加生活
~願いを叶えたリビングフードの理想郷①〜
【 今津 】

高島市の有機農業の先駆者 堀田金一郎さん
高島市の有機農業の先駆者 堀田金一郎さん
1
  • 「金ちゃん農園」3つのコンセプト
  • 1.びわ湖の生物との共生
  • 2.循環型農法
  • 3.ユーザーとの価値の共有
2年3作で作る大豆畑
2年3作で作る大豆畑
滋賀県在来種の大豆「みずくぐり」
滋賀県在来種の大豆「みずくぐり」
美しい蕎麦畑
美しい蕎麦畑
乳牛の牛舎
乳牛の牛舎

「金ちゃん農園」の堀田金一郎さんは小さいころからお父さんの農業をする姿を見ていました。当時世の中は経済が急激に伸びはじめ、お米は作れば作っただけ売れる時代でした。効率優先の農業が推奨され、たくさんの農薬を使い見た目にきれいな農産品の生産が主流になって行きました。その結果、琵琶湖には大量の魚の死骸が浮いていて、幼い頃の堀田さんはそんな農業に疑問を持っていたそうです。

中学校を卒業した段階で自身が農業をしてゆくことは決まっていたけれど、自ら琵琶湖を農薬で汚す農業はしたくないという思いから、まず酪農を中心とした農業をされていたそうです。しかし昭和45年から国は減反政策を開始し、一方で専業農業が推奨され、飼料を作る事より牛の数を増やすことを強いられることになりました。その結果、一時は牛が50頭まで増えたものの、やはり大量の輸入飼料に頼らざるを得ず、効率優先の酪農にも違和感を感じることが多くなっていったそうです。そしてお父様から田んぼを任された時が来て、農薬を使わない米作りを目指そうと決めたものの、当初は雑草の対応に苦慮し、収量も上がらず苦労の連続だったそうです。しかし、少しずつ志を同じくする仲間が増えるに連れ、情報共有が出来るようになり、10年前には高島市有機農法研究会が設立されました。市役所と民間企業のアミタ社の協力があり生産性が改善され、さらに「いきもの田んぼ米」などオリジナルブランドづくりにも成功しました。現在の販売部会は13名。1年に1回30名程の子供達がやって来て、水路で生きもの観察会をしたり、高島屋さんの企画で田植えや稲刈り体験、生き物調査等を行っているそうです。

現在耕作面積は約10haそのうち米の耕作面積は7ha程度 主食米、酒米、古代米 など6種の米を栽培し麦(「農林61」「スペルト小麦」)や大豆(滋賀在来種の「みずくぐり」)は水田を活用した2年3作を行っています。米のスタートは遅く、6月に田植え、10月に稲刈りを行います。稲刈りを終えた所で稲の根を土に漉き込み、次に麦の種を蒔きます。翌年の6月~7月に麦を収穫し、麦の収穫後にまた麦の根を土に漉き込みます。そしてその次に大豆の種を蒔きます。12月頃に大豆を収穫したら、田植えまで休ませます。3種の作物を2年サイクルで生産するユニークな農業です。稲刈りの後に麦を植えると「土の排水性」が改善され、その後に大豆を植えると「地力」が付き、次の稲づくりに土が良い状態で田植えが出来るそうです。自然のサイクルと人の知恵が生み出す理想的な循環型の農業です。

最近は農作物を作るだけでなく、作ったものを美味しく食べつつ、堀田さんの農業に対する思いを伝えるため、市内や市外の意識の高い方々と連携し、冬場に味噌づくりのワークショップを頻繁に行っています。時勢に流される事無く自らの信念に基づいて築き上げてきた独自のスタイルは、正に現代が求める農家の姿そのものではないでしょうか。


ライター

河村 奈美
一面に広がる草原や田んぼ、その抜け感に感動して2014年に単身移住。
現在は高島の事業者に関わりながら地域の雇用促進事業に従事し、セミナー企画運営を担当している。
その他、心もカラダも軽くなれる暮らし方や発酵料理を探求しながら新たな道を模索中である。
(安曇川町在住)高島地域雇用創造協議会

カメラマン

三上 紀顕
1940年山口県生まれ。職歴は建築設備士、健保職員。滋賀に来て47年になります。私が本格的に写真を始めてから46年になります。大阪のプロ写真家に師事し基礎から学びました。今私の得意としているのは風景写真です。特に撮影している範囲は高島市内です。写真も奥が深くまだまだ道半ばです。(安曇川町在住)

One thought on “高島的無添加生活
~願いを叶えたリビングフードの理想郷①~

  1. 久しぶりに高島の食と人を拝見させていただいております。
    最近山形県の高畠という土地へ行くことが多く、そこでもやはり有機農法の完全無農薬のお米をつくっていました。
    多くのこんな本気な人たちが増えてきたら日本も変われるかもしれません。
    有機農法にも興味があります。高島へ行った際は金ちゃんさんにもお会いしてみたいです。

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