the eating & lives in TAKASHIMA
高城さんの美味しい野菜も内助の功があってこそ
高城さんの美味しい野菜も内助の功があってこそ
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  • 野菜づくりで大事にしている3つのこと
  • 1.直感力
  • 2.観察力
  • 3.自己否定
畝の間に水を流しているので畑への水撒きの必要がありません
畝の間に水を流しているので畑への水撒きの必要がありません
作業効率が大事。種まきも走ります
作業効率が大事。種まきも走ります
すっかり雪に埋もれた畑とハウス
すっかり雪に埋もれた畑とハウス
雪の中の大根も美味しそう
雪の中の大根も美味しそう

高島市の南にある集落・拝戸(はいど)で、農薬・化学肥料をつかわない野菜づくりに取り組まれている高城恭二さん。元自衛官で、定年後に初めて野菜づくりを始めたという異色の経歴の持ち主です。
野菜づくりのきっかけは、教育関係の仕事をしていた知り合いから「無農薬野菜をつくってほしい」と頼まれたことでした。再就職のあてもありましたが、《人の心と体に優しい、野菜をお届けします。》をスローガンにチャレンジすることを決めました。

全く経験のない農業を始めることになって、まずやったことは土づくりでした。荒れ地を自らの手で開墾し、水はけをよくするための溝をつくったり、農薬を無害化できるという炭を土にすき込んだり。いろいろな人のアドバイスを受けながら、いいと思ったことは何でも実践しました。ようやく作物ができはじめたのはそれから4年後のことです。ここに合った土壌ができるまで何度も実践と失敗を重ねて、今では専門家に「匂いが違う。いい香りがする。」とまで言われる土になりました。

「農業は頭脳だ」と、高城さんは言います。特に、直感力と観察力と自己否定の3つが大事なのだそうです。直感力とは、「何かヘンだ」と小さな変化にも“ピン”と気づけること。観察力とは、植物や畑の生きものの生態をよく観ること。自己否定とは、「本当にこの方法でいいのか?」と疑問をもちよりよい方法を探っていくこと。
そんな高城さんの畑には既成概念にとらわれない、思わず「なるほど」「へぇ~」と唸ってしまう工夫がたくさんあります。
例えば、畝はもぐら対策のためにかなり高くし、畝と畝の間の溝は里芋の栽培に利用する。土にはミミズの餌になるようにダンボールを撒き、雑草も捨てずにそのまま土に返す。お金と手間をかけずに、もとあるものを最大限に活かすのが高城流です。
いわゆる正攻法を鵜呑みにせず、いろんな角度から考え、通常ではやらないようなこともどんどん実践し、成功したら徹底分析。ですが、意外にも失敗しても反省はしないのだそう。「モチベーションを上げて前向きに農業が続けられるようにするためです」と、笑顔で軽やかに答える高城さんのスタイルには、農業以外にも通じる思考のヒントがたくさんありそうです。「農業は頭脳だ」と言われるとおり、自分の頭で考え工夫することを最も大事にしている様子はさながら哲学者のようです。

野菜づくりを始めて10数年。これからもっと作付面積や栽培品目を増やしたり、無農薬野菜のブランド化にも力を入れていきたいのだそうです。高城さん曰く、「今、農業はチャンスの時」。自らが「儲かる農業」を形にして見せ、若い人たちも食べていける農業のモデルをつくっていきたい。さらに指導者としても若い人たちをサポートしたい、と意欲を見せます。
今後の展開からも目が離せない哲学者の野菜づくり。これからがますます楽しみです。


ライター

上田 未來
滋賀県大津市出身。2014年、ある古民家との出会いがきっかけで高島に移住。現在「大溝の水辺景観まちづくり協議会」事務局員として、まちづくりに日々奮闘中。豊かな自然や受け継がれてきた様々なことに感謝して暮らしていきたいと思っています。(高島町在住)

カメラマン

小嶋 典子
『 長男出産を機に高島へ来て15年余り。現在は、市職員労働組合の臨時職員として働いてます。前職は上下水道施設の建築設計。二級建築士。写真は昔から好きで、最初は携帯で撮ってたのが、気付けば一眼レフに。用事ついでにフラッと寄り道、そんな時に出会った高島の風景や野鳥達を、コソコソっと撮るのが好きです。 』(高島町在住)

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